● 講演タイトル、要旨
- Day 1 -
5/27(金)13:20~(55分)
招待講演1「二次元相関マッピングによる界面分析」
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 機能化学研究部門 化学材料評価グループ
グループ長 新澤 英之 様
数マイクロメートルの空間領域内で対象の赤外スペクトルの測定を行う顕微赤外分光器を用いることで、界面における特異な化学構造を検出することができる。その一方で様々な空間領域でのスペクトル測定によって得られるデータは膨大になり、情報を効果的に抽出するためのデータ解析技術が重要となる。本講演では顕微赤外分光器と「二次元相関マッピング」と呼ばれるスペクトル解析技術を組み合わせることで、異種成分間の界面における化学構造変化を検出した事例を紹介する。
5/27(金)14:15~(55分)
招待講演 2「法科学における分光分析」
警察庁 科学警察研究所 法科学第三部 化学第二研究室
理学博士 渡辺 大助 様
犯罪捜査に関連する科学分野である法科学の世界でも、赤外・ラマンといった分光分析は非常に強力な手法として、科学捜査の現場には必須のものとなっている。これは、確実性、再現性、非破壊性といった分光分析の優れた特性が、法科学の求める条件に合致しているためである。しかし、法科学は警察限定のものではなく、開かれた自然科学の一分野である。本講演では、分光分析に携わる方々に対し、法科学応用への関心を深めることを目的として、法科学の観点から見た分光分析の有用性を示すと共に、薬毒物分析、文書鑑定、微細物分析等、様々な事例への活用例を紹介する。
5/27(金)13:05~(15分)
一般講演「2次元アレイ検出器によるFT-IRイメージング」
ブルカージャパン株式会社 オプティクス事業部
2次元アレイ検出器(FPA)を用いたFT-IRイメージングは、着目する化学成分などの空間分布の様子を短時間で可視化できることから、様々な分野で広く利用されています。本講演では、FPAによるイメージングの基礎と応用について解説します。
- Day 2 -
6/24(金)13:20~(55分)
招待講演1「電子デバイスにおける赤外分光分析法の活用と実例」
東芝ナノアナリシス株式会社 製品&プロセス分析技術ラボ
グループ長 栗崎 卓 様
電子デバイスの分野では、半導体やフラットパネルディスプレイなどの構成材料の劣化不具合や異物混入によるトラブルは、製品の信頼性に直結するため、その解決は非常に重要である。有機・無機化合物の幅広い結合情報が得られる赤外分光分析は、これらの問題を解する手法の一つとして非常に有用なツールである。
本講演では、赤外分光分析の初心者~中級者向けに、測定原理や種々の測定手法の違い、正しいスペクトルを取得するためのコツ、更には微小異物のイメージング分析やレジスト材料の変質解析等の電子デバイスにおける分析実例を交えながら、赤外分光分析の有用性を解説する。
6/24(金)14:15~(55分)
招待講演 2「フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスに用いる電子実装材料研究における分析技術の役割」
群馬大学理工学府 知能機械創製部門
准教授 井上 雅博 先生
電子デバイスの形態は、電子回路のフレキシブル化と3次元化のための実装技術の進展に伴って多様化する方向に進化してきた。この流れは、印刷工法によって作製されるフレキシブル回路に電子部品を実装するフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)技術によって、さらに加速されると期待される。しかし、FHE技術で用いられる実装材料は複雑な材料設計によって調整されているだけでなく、環境因子による不具合発生に対する対策が必要であることから、様々な分析技術を活用しながら研究開発が進められている。本講演ではFHE技術で用いられる印刷ペーストや接合材料の概要を説明するとともに、研究で用いられている分析技術の例を紹介する。
6/24(金)13:05~(15分)
一般講演「電子デバイス材料の分析に向けた技術と製品の紹介」
ブルカージャパン株式会社 オプティクス事業部
赤外・ラマン分光法は、電子デバイスを構成する材料の評価において必要不可欠な分析ツールのひとつです。本講演では、各種先端材料の分析に有用な、ブルカーならではの技術と製品について紹介します。
- Day 3 -
7/22(金)13:35~(55分)
招待講演1「さまざまな前処理方法を活用した顕微IRの測定」
三洋化成工業株式会社 桂研究所 研究技術部
杉山 彩代 様
三洋化成工業では、生活・健康産業、石油・輸送機産業、プラスチック産業、繊維産業、情報・電気電子産業、環境・住設産業など多岐にわたる製品群の開発を行っている。いずれの分野においても機能発現の原理確認やトラブルの原因解析には、組成の分布や構造を明らかにすることが非常に重要になる。組成、形状、硬度などに合わせた、さまざまな前処理技術(ペレット化、ミクロトームやイオンミリングを利用した断面出しなど)を応用したイメージングIRの測定事例を紹介する。
7/22(金)14:30~(55分)
招待講演 2「無機から有機まで各種微小部解析の事例」
日鉄テクノロジー株式会社尼崎事業所文化財調査・研究室(兼)解析技術部分析技術室
渡邊 緩子 様
近年は、材料の機能付与を目的に無機、有機系化合物の混在する複合材料が年々増加している。代表的な材料として、塗装鋼板が挙げられるが、有機化合物である塗膜を主体に無機系顔料など数多くの化合物で構成されている。このような材料を評価するために、数多くの分析手法を駆使して把握しなければならない。得られる情報は、分析手法により異なることは周知の事実ではあるが、具体的に同じ試料を用いて評価した事例は少ない。本セミナーでは、無機・有機系化合物が混在する材料を用いて、微小部の解析事例を紹介する。
7/22(金)13:05~(30分)
一般講演「FT-IR / QCLハイブリッド赤外顕微鏡HYPERION IIの紹介」
ブルカージャパン株式会社 オプティクス事業部
さらなるスピードと広い測定エリアを求めてブルカーが開発した、最新の量子カスケードレーザー(QCL)による赤外スペクトルイメージング機能を搭載する最新の赤外顕微鏡HYPERION IIについて、その基本原理を既存の顕微FT-IRやFPA技術と比較しながら解説します。